五輪真弓フォト
 
 
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毎日を充実させて

「細胞は死ぬまで毎日生まれ変わるんです」と、最近知り合ったばかりのKさんは言った。

人体整備士とでも言っておこうか。その理解しやすい前向きな言葉に、長年地面に張り付いていた岩がにわかに動いたようにも思えた。彼の言うところによると、その新しい細胞を最大限に利用して、体中の組織を改善することができるという。刺激を与えて、活性させることさえ続けていれば自然と育ってゆくというのは、人間の頭脳にも同じことが言えそうである。もう年だからとあきらめていれば頭まで固くなり、行動範囲も狭まってしまうだろう。

事実、そう気付いてからはやたらと体を動かすようになった私である。彼は言う。「まず一番大事なことは呼吸であり、息を十分吐きながらリラックスしているときに生物は最も良い仕事ができる」。なるほど、忙しい時、緊張している時にはつい浅い呼吸になりがちで、何とか仕事ができても、結果的に不満が残ったりする。私自身も今まで良かったと思う仕事はどれも、ふだんのようにリラックスした状態で行われたものだ。それが分かっていても緊張してしまうのが人間であるが…。

これからは、どれほど楽しく仕事を充実させられるかが課題になってゆくと思う。自分の部屋の中でも、ステージの上でも歌うときはいつもベストコンディションでありたいからだ。

さて、前回お知らせしましたように、私のエッセーは今日で終わりです。つれづれなるままに書きつづった三年間、みなさんに自分の音楽の生まれる背景を少しでも垣間見ていただけましたら幸いです。またどこかでお会いしましょう。ありがとうございました! (東京新聞夕刊 2008.10.20 掲載)


"青色"に初秋感じる

虫の音が涼やかに初秋の夜を演出し始めた。まだ暑さも残る日々だが、風や空の青色に次の季節の到来を感じる。…(東京新聞夕刊 2008.9.8 掲載)


暮らしの中の注意信号

ガソリンスタンドに通い始めて十七年目。セルフサービスで入れた後に出てくる請求書を見て、このまま車を使い続ければ、家計に響くこと間違いなしと思った。…(東京新聞夕刊 2008.8.11 掲載)


音楽のあるべき姿

テレビのチャンネルを動かしていて、偶然ボズ・スキャッグスを見た。ソウル色の濃いナンバーに、歯切れの良いボーカルが乗って、その健在ぶりに驚いた。ラストに歌った「We're all alone」はやはり名曲で、もう一度アルバムを聴きたくなった。「Silk Degrees」のB面最後の溝にレコード針を落とすと聴きなれたピアノのイントロが懐かしく、歌声は「こんなに高い音で歌っていたのか」と思うほどエモーショナルですばらしく、うねるようにハートから響いていた。…(東京新聞夕刊 2008.7.7 掲載)


生音が蘇るアナログ

このごろ、アナログレコードを聴き直している。CDというデジタル盤に変わってから、押入れの奥に何年も眠っていたアルバムたちを、再び前列にそろえた。…(東京新聞夕刊 2008.6.9 掲載)


あらためてクラシック

今年に入って、クラシックのコンサートを二回聴きに行った。今まで洋楽のロックやジャズのコンサートには出かけたことがあるが、ここに来てなぜかクラシック音楽が好きになり、わくわくしながら切符を買った。いつもは自分が舞台側にいるので、あらためて客席に座ることも新鮮だった。…
(東京新聞夕刊 2008.5.12 掲載)



命を感じる季節

優しく、おだやかな春の世界にいざない、美しい時間をくれる「桜」。その出番が終わると、あとはまるで姿を隠すかのようにひっそりと自然の中にとけ込む。…(東京新聞夕刊 2008.4.7 掲載)


祖の地で思い新たに

「五輪」という名字。今やすっかり身に付いているが、子どものころはずいぶん悩まされたものである。…
(東京新聞夕刊 2008.3.10 掲載)



“こころの歌”の原点

今年の仕事始めはNHK「プレミアム10(絆、被災地をつなぐ“こころの歌”〜阪神大震災から13年)」だった。番組は、天災に見舞われた場所で歌われた歌の特集で、何年たっても忘れられることのない悲しい記憶と復興への思いの中で、生きてゆこうとする、人々の力強い精神が息づいていた。…
(東京新聞夕刊 2008.2.4 掲載)



マイペースを忘れない

月めくりカレンダーが最後の一枚になった。その写真を見て、意表をつかれた。…
(東京新聞夕刊 2007.12.17 掲載)


明日もまた、頑張ろう!

近ごろは例年にない忙しさで、コンサートの歌が自分の体の周りをぐるぐると渦を巻くように聞こえる毎日である。…(東京新聞夕刊 2007.11.19 掲載)


新境地を見つけた!

十月三十一日に、いよいよニューアルバムが発売される。タイトルは「Welcome」。一九九六年二月に発表した「二十一世紀」以来のオリジナルアルバムである。…(東京新聞夕刊 2007.10.22 掲載)


都会に森林があったら

八月はすさまじい暑さに見舞われて終わった。天気予報によると、三〇度台は九月に入ってからも続くらしい。…(東京新聞夕刊 2007.9.3 掲載)


味わい深いCD製作

このところ、レコーディングの日々が続いている。相変わらず楽しい作業だ。音を何層にも組み立てて、一つの世界を創り上げる。今回のアルバムは十一年ぶりとあって、さまざまなバリエーションで構成される。…(東京新聞夕刊 2007.8.6 掲載)


ドビュッシーの息遣い

今は亡き多くのピアニスト兼作曲家たち。その作曲家が自ら弾く演奏をすべて聴くことができたら何て感動的なことだろう。…(東京新聞夕刊 2007.7.2 掲載)


持てる限りの力で

今年の秋に十一年ぶりのオリジナルアルバムを発表することになった。あー、なんて久しぶりなのだろう。その間、曲を書いていなかった、ということはなく、実際のところ、思いつくままに書いたものが数曲ある。一度所属レコード会社にプレゼンしたことがあるが、答えは「これをどうしたらいいんでしょうか…」 …(東京新聞夕刊 2007.6.4 掲載)


時を経てわかること

一九七〇年五月八日、ビートルズの最後のアルバム「LET IT BE」が、英国で発売された。解散へと向かう、ぎくしゃくとした人間関係の中で書かれた「The long and winding road」がその中に収められている。…(東京新聞夕刊 2007.5.7 掲載)


新たな自分へのジャンプ

三月は子供の卒業、高校入学の準備などがあって、あっという間に過ぎた。学校に提出する書類に、保護者として名前を書くたびに厳格な親にならねばと、急に背筋が伸びる。…
(東京新聞夕刊 2007.4.2 掲載)


この素晴らしき世界

ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」を、初めて歌った。英語の歌を公的に歌ったのは、何年ぶりだろうか。…(東京新聞夕刊 2007.3.5 掲載)


味わい深さ届けます

一年の計は元旦にあり。だいぶ日が経って、もう一月も終わろうとしているが、今年初めの執筆なので、抱負などをつづっていきたい。…(東京新聞夕刊 2007.1.29 掲載)


クリスマスに歌う

子どものころ、クリスマスイブの十二月二十四日は胸躍る日だった。…
(東京新聞夕刊 2006.12.18 掲載)


特別編成で楽しいライブ

十九日は、二年ぶりの東京でのコンサート。有楽町にある千五百席のホールが会場だ。…
(東京新聞夕刊 2006.11.20 掲載)


作曲人の醍醐味

人生には思いも寄らないことが起きる。自分の音楽がアジアに広がったこともその一つ。曲を書き始め、歌い出したころからその時まで、外国で聴かれるようになるとはみじんにも思わなかった。今回は作曲人としての私のお話。…(東京新聞夕刊 2006.10.23 掲載)


旅行
 今は日本で落ち着きたい

二〇〇六年もあと四カ月足らず。今年の夏は、旅行に出かけることもなく、自宅で過ごした。ここ数年のパターンである。…(東京新聞夕刊 2006.9.11 掲載)


反戦への目覚め ヒロシマで流した涙

夏のこの時期になると、広島、長崎の原爆の日や終戦記念日があり、あらためて戦争について考えさせられる。…(東京新聞夕刊 2006.8.14 掲載)


夫との“登山” 誰よりも私の理解者

今回は夫の話を。…(東京新聞夕刊 2006.7.10 掲載)


ドライな雨 今も心弾む「記憶の音」

雨をテーマにした歌はいっぱいある。初めて聴いた雨の歌は、洋楽ではカスケーズの「悲しき雨音」だった。…(東京新聞夕刊 2006.6.12 掲載)


自然はすばらしい
 歌の大事なエッセンス

五月に入って晴れた空がやけにまぶしい。新緑の木々が風に揺れて、さわさわと気持ちの良い音をたてている。それはある時波の音にも似ていて、ともすれば、私が住むこの地域は海の近い所にあるのではないかという錯覚に陥ったりする。… (東京新聞夕刊 2006.5.15 掲載)


ファンとの約束 21世紀最初のツアー

今年の秋から冬にかけて、十年ぶりの全国ツアーを計画しています。なにしろ、久しぶりのことなので、それが現実になるということが信じられないくらいです。… (東京新聞夕刊 2006.4.17 掲載)


主題歌 ドラマと一対で思い出

先日ファンの方から問い合わせがありました。「『どこまでも果てを知らない空の谷間に〜』という曲の題名を教えてください。たしかドラマの主題歌…」。この質問は比較的多いのでここでお話を。… 
(東京新聞夕刊 2006.3.20 掲載)


偉大な音楽家 私も「長寿の歌」めざし

今年はモーツァルト生誕二百五十年ということで、ちまたでは彼の音楽が盛んに取り上げられ、耳にする機会が多くなりました。誕生日は一月二十七日で自分と三日違いの水瓶座。私が生まれたのは五十五年前だから百九十五歳年上というわけです。… (東京新聞夕刊 2006.2.20 掲載)


スター時代 緊張とは無縁だった

琴欧州の出番になると、手に汗がにじみ、心臓が波打ち始める。誰もが常に絶対的なスター、あるいはヒーローを待ち望んでいるこの人間界にあって、わたしもまぎれもなくそのひとりです。ありふれた日常のなかに咲いた大輪の花はわたしたちのあこがれであり、夢そのもの。だから、そんな素質が光り輝いている若い人たちに注がれる期待は大きい。… (東京新聞夕刊 2006.1.23 掲載)


歌の力 心の友の輪広げたい

その日の朝、わたしは長いことすることもなかった全国キャンペーン「KOKORO NO TOMO」に乗り出し、浜松、名古屋に向かうため、新横浜の新幹線ホームに立っていました。冬の到来で冷え込んだ風がランダムに吹いていて、それはやがて超スピードで通過する新幹線がもたらす大風に取って代わりました。… (東京新聞夕刊 2005.12.12 掲載)


少女時代 探検好きの度が過ぎて…

今日から一年間、毎月一回、このページにあれこれ書かせていただくことになりました。「音楽つれづれ」というタイトルどおり、つれづれなるままに私と音楽のかかわりを描いていきたいと思っています。…
(東京新聞夕刊 2005.11.14 掲載)



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